探偵の調査をして  
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   神様はいるのか?
 

ぼくは、どこで高速を降りようか、そればかり考えていた。追い越し車線を走っていたぼくは、走行車線にさきほどまで見続けていた車を見つけた。
神様って、ほんとうにいるんじゃないか?なんて、のんきなことを考えてしまうくらい嬉しくなってしまった、今日5度目のラッキーだった。

しかし、これは本当にラッキーだったのか?
車はどんどん先に進み、とうとう隣りの県に突入してしまった。
市役所を出て、1時間半。
ようやく着いた先は、大きな工場を持つ会社。
ここにはさすがに入れない。
ぼくは出入り口の見える、どこかの駐車場らしきところに車を駐車し、代表に電話する。
ぼくが向かった方面を告げてあったので、どこかまで来てくれているかも?という期待がなかったわけじゃない。
いや、あまりの疲れに期待していた。

けれど、代表から返ってきた答えは、“会社近くで待機する”とのことだった。
それって、どうよ?これからまた尾行しながらあの距離を帰るのか?と思うと、今すぐ、自分の家に帰ってしまいたい衝動に駆られる。
なにもなく、ただ、出入り口を監視する、というのは、まさに地獄だ。
ここまで疲れてしまうと、この時間は睡魔との闘いみたいなもんだし。
まじ、帰りたいよ。

待つこと、1時間。
過ぎて見れば、短かったようにも感じるけれど、腰の痛みからすると、もっと時間がたっていたようにも感じ、時計を見直す。
間違いなく1時間を経過したところだった。

そこからは、会社まで戻っていくだけだった。
これまでが波乱万丈だったので、会社まで戻る道のりがあまりにスムーズすぎて不安になるくらいだ。

結局、代表と合流できたのは、対象者が会社に戻ったあと。
時間は4時半を過ぎていた。
一体、今日一日あんたは何をしていたんだよ、と言いたいくらいだった。

代表に電話が入る。
依頼主からで、今日はもう出かける予定もなく、雑務処理をして帰宅するだろうから、解除して良いとのこと。

代表に今日いくつか撮影したビデオを渡す。
ついて行くのに必死で、あまり撮影できていない気もしていたけれど、隣りで覗きこんでいると、それなりに撮影できていたんだな、と思う。
会社近くの民家で話している場面は、さっと通り過ぎた映像だったけれど、なんとなく密会っぽい雰囲気に見えてなかなかのものだ。
実際に目でみた雰囲気と、画面としてあとで確認すると、ずいぶん違って見えることに驚く。
画像だけ見ていると、ぼくが途中見失っていたなんてわからないくらい、ちゃんと行動として撮影できてるから不思議だ。

画像を確認した代表も、特に褒めることも怒ることもなく、一応満足しているような感じはあって、ぼくはホッとした。




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