ラッキーばかりが続くわけでもないか。
代表に現状を伝えながら、対象者を探す。
ぼくの話しを聞いている代表は、あきらかにイライラしている様子だった。

こんな代表と話していると、気が散って仕方がない。ぼくは電話を切りたい気持ちになる。と・・・。ふと視線に入ったバンは、対象者のものだった。
コンビニの駐車場で発見。
この日、４つ目のラッキー。
アンラッキーが、今日の調査に代表が来なかったことと、細い道で相手を見失ったことの２つ。
まだまだぼくもついているのかな？

代表に対象者を見つけたことを告げ、すぐに電話を切り、ぼくはコンビニに入り、水とおにぎりを購入しておいた。
対象者はトイレに入っていたようで、そのあと、タバコとコーヒーを買っていた。
先に車に戻ったぼくは、また尾行に戻ることが出来た。
さっき、顔を見られたかと心配したけれど、対象者は全く気が付いてなかったようだ。ぼくはほっとする。

それから対象者は、市役所へ行く。
駐車場へ入って行ったので、ぼくは迷う。
が、外であまり長い時間車を止めておけないので、ぼくも入ることにした。
入口では警備員が管理しているのか、駐車カードを渡される。
これって、印鑑がないと出られないのでは？

ぼくは対象者の車の手前に空いている駐車スペースを見つけた。
いったい、何をしに市役所に来たのか？
それをちゃんと見ないと、代表はまたイライラするんだろうな。

車を降りて、対象者の車に近づくと、まだ対象者は車の中にいた。
とっさにぼくは身をかがめた。
何台か挟んで、様子をうかがう。

車の中で電話をしているようだ。
５分ほど経過する。
途中で見せる笑顔は、間違いなく営業のものじゃなく、相手は女か？と思わせるようなものだった。

そして、車を降りて向かった先は、市民課。
ついて行ったぼくは、駐車カードのために、印鑑証明のもらい方の説明をちょっとしてもらい、適当に返事をして駐車カードの印鑑をもらう。
対象者は、なんの用紙にも記入する気配もなく、列に並んでいたが、自分の番がくると、女の子になにかの用紙をもらっていた。その用紙はなんと離婚届。

これって・・・？
今、調査依頼を受けているのは、営業社員の行動調査。
どこまで報告するんだろう？